今まで評価してきた都区内かつ小田急線沿線にある物件の中から、不動産防災力レベル5の[5つ星]マンションをリスト化しました。これらのマンションを選べば、来たる大地震も千年に一度の大雨も恐れることはありません。
都区内かつ小田急線沿線のマンションといっても、まだまだごく一部のマンションしか評価できていません。ただ、これらの評価の高いマンションがある場所の近くは、防災上、安全な可能性が高いといえますので、参考にしていただければ幸いです。
評価は、
▼総戸数:100戸以上(90戸以上もたまに混ざる)
▼築年:2000年以降(1990年代もたまに混ざる)
のマンションから始めています。また「不動産の“防災力“判定基準」でもお断りしていますが、「タワーマンション」は評価の対象から除外しています。
小田急線沿線(都区内) 不動産防災力レベル[5つ星]マンション
画像内のテキストにもありますが、今回は上位2物件以外は順位を付けていません。周辺に複数のボーリング調査地点がある物件が少なかったためです。合計の点数順にはしていますが、同じ点数同士ではランダムに並べています。
また、一番下の「グランベスタージュ桜丘」「桜丘パークハウス」は、比較的に規模の小さいマンションですが、評価済みの物件なので、リストの末尾に加えています。
※各項目の説明は、一番下に入れます。
第1位 ブリリアタワー代々木公園クラッシィ
「ブリリアタワー代々木公園クラッシィ」を1位に選んだのは、
●周辺のボーリング調査から、対象地の地盤に問題がない可能性が高いと推察できること。
●建物が「免振構造」となっていること。
の2つが大きな理由です。
周辺にあるボーリング調査地点だと、深度10mほどで支持層に到達するというのが「地盤リスク」が低いと思える根拠です。そして、その支持層が浅い場所に、スーパーゼネコンが施工した免震構造の建物が建っていますので、来たる大地震の際でもかなり安心感のある物件です。
因みに、「タワーは評価対象外」としていますが、「ブリリアタワー代々木公園クラッシィ」は地上19階建なのと、形状も縦に極端に細長いものではないので、評価対象としました。
第2位 ヴィークステージ世田谷千歳船橋
「ヴィークステージ世田谷千歳船橋」を2位にしましたが、これも理由は、
●周辺のボーリング調査から、対象地の地盤に問題がない可能性が高いと推察できること。
です。
こちらも周辺にあるボーリング調査地点だと、深度6mを少し超えたくらいからN値40ほどの固い地層に到達するというのが「地盤リスク」が低いと思える根拠です。建物も、スーパーゼネコンが施工した中層建物(地上9階建)なので、建物の損壊可能性は低いです。
第3位以下のリンク
今回ランキング付けしたのは2位まででした。
●周辺に複数のボーリング調査地点がある物件が少なかったこと。
●周辺にボーリング調査地点があっても、良い地盤と推察できる場所が少なかったこと。
の2つが理由です。
以上は、ケチを付けるような話ですが、湾岸地区や東京都区部東部の低地にあるマンションと比較したら、「防災不動産レベル5」のマンションは、どれも問題なく安全です。
第3位以下は、細かく比較していません。同じ合計点の中では順不同です。今後の評価で追加があれば、書き加えていきます。
●リーフィアレジデンス世田谷桜丘
●ザ・レジデンス千歳船橋
●ナイスステージ世田谷桜丘
●シティハウス世田谷桜丘
●ヴィークグラン世田谷千歳船橋
●桜丘フラット
●マスターズガーデン世田谷桜
●世田谷喜多見ザ・テラス
●パークシティ成城
●クレッセント千歳船橋
●ルネ成城
●パークハウス成城
●ガーデンコート成城
●グランベスタージュ桜丘
●桜丘パークハウス
《以下、「田園都市線沿線(都区内) 不動産防災力レベル[5つ星]マンション」と同じ断り書きです。》
地盤リスクの比重が大きい
不動産防災力評価として、「来たる大地震で、うちのお客様は一人も死なせません」をポリシーとしているので、どうしても、全体評価の中で地盤評価の比重が高くなります。
別の言い方をすると、災害に強い物件を選ぼうとする場合、地盤評価が4以上あれば、まず安心だと思います。浸水リスクも4以上の場所を選んで欲しいです。
地盤評価が4以上ある立地ならば、建物は多少複雑な形状をしていても問題のない可能性が高いのではないかと思っています。勿論、念を入れるにこしたことはないですが。
立地から選んで欲しい
何度も言っていますが、物件を購入する場合は、その物件のことを調べなくてはなりません。
自動車を購入するときに、その自動車の性能を調べない人はいないですよね?
なのに、更に高い買い物の「家」を購入する際に、その家が建つ場所や建物の性能などを細かく調べない人が多いのは何故なのでしょうか?
そして、物件調査の基本は「土地」です。どんな建物も、必ず土地の上に建っています。だとしたら、その土地の影響を受けるのは当たり前の話です。地震の際も、土地が揺れるから、その上に建つ建物が壊れるのです。
《参考まで》 東京カンテイは、東日本大震災の際に宮城県内の分譲マンション全1,460棟を調査し、「マンションの震災被害の度合いは、耐震基準よりも土地・地盤との相関性が高いと考えられる。」と結論づけました。 ■東日本大震災 宮城県マンション 被害状況報告(東京カンテイ) |
まずは「土地」の性質を調べる、ということを家探しの基本としていただきたいと思っています。
ランキング表の項目説明
「地盤」「浸水」「建物」「火災」については、「不動産の“防災力“判定基準」をご覧ください。
この4項目のうちの「地盤」について、評価要素として3つ挙げています。
ハザード:「埋没谷」や「沖積層」エリアに該当するか否か。「液状化の可能性がある地域」や「急傾斜地崩壊危険箇所」に指定されているか否か。行政等の関係機関から、その土地について何らかのハザードが指摘されているかどうかです。評価(5)は、いずれにも該当しない・指定されていないことを示します。
地盤増幅率:J-SHIS Map[表層地盤増幅率]のレベルです。評価(5)は「1.4以下」、評価(4)は「1.5以下」、評価(3)は「1.6以下」、評価(2)は「1.65以下」です。「1.4以下」は、都区内では優良レベルです。
ボーリング:ボーリング調査(敷地内及び近隣)の結果をレベルで評価しています。評価(5)は「数m以内に支持層」、評価(4)は「表層面が十分な固さor支持層が15m以内」、評価(3)は「大きなリスクは感じないレベルorボーリング調査がない」、評価(2)は「あまり良い地盤ではない」です。
これらの評価項目・要素について、5段階評価に無理やりあてはめるために、評価に齟齬があるように見えることがあると思います。その場合には、問い合わせください。なぜ、その点数なのかをご説明します。
また、ミス等で間違っている箇所を見付けた場合には、優しく教えてくださると嬉しいです。
家族の命を守るための「家探し」に少しでも役立てれば幸いです。